里人 No.4 宮崎さん一家
大阪から孫ターン
パパはドラマー!
宮﨑さん一家
高良さん・咲紀子さん・海寧くん・偉絃くん
祖母の家に移り住む孫ターン
安心感がありつつも
戸惑いや驚きを経て今に至る生活と
新天地で繋がった縁
孫ターン
出会いは大阪だったという2人。
ご主人の貴良さんは高知県出身で、高校卒業後関西に就職。
仕事をしながら音楽活動をする生活を9年ほど続けていたが、なかなか思うようなバランスで両立ができず、仕事を辞めてアルバイトをしながら音楽活動をしていたそう。
一方、伯耆町出身の咲紀子さんも高校卒業後、大阪に進学。
保育士を目指し専門学校に通っていた。
同じバイト先ということがきっかけで付き合いだした2人はその後結婚し、第1子である海寧くんが誕生した。
子育て環境や生活環境を考え、ゆくゆくどちらかの両親の近くに住むほうが安心だと以前から話していた貴良さんと咲紀子さんは、2017年に鳥取に移住。
鳥取を選んだ1番の理由は咲紀子さんの実家が近いということもあるが、ひとり娘の咲紀子さんのお母さんは伯耆町に嫁いでいるため、祖母の武子さんが1人で暮らす南部町の家を継ぐ人がおらず、武子さんも高齢になってきたという理由から南部町に引っ越して一緒に暮らすことを決めたそうだ。
新しい生活
引っ越しは、祖母の家に住むということで家探しや地域に馴染むという部分では安心感があったと話す2人だが、もちろん戸惑いや驚きもあった。
集落の集まりごとなどが比較的多く、休みの日は何かしら地域活動があるのが少し大変に感じる部分があったり、近所の人はみんな知り合いで家の鍵も開いていたりと、都会と比べて人との距離が近い分初めは慣れないことも多かったそうだ。
子育てにおいても、保育園で大阪弁をしゃべる海寧くんのイントネーションに周りの子が反応し、少し精神的に苦労することがあったり、小学校に入り学校までの距離が歩いて40分以上かかることには驚いたりもしたそう。
ただ、集落行事は〝みんなで町を守っていこう〟という地域の姿。
それはとても良いことだと思うし、人との近さも慣れれば安心感に変わる。
子どもの学校生活も落ち着いてきて、親としても安心できるようになってきたと話す。
出会いと音楽
音楽を辞めて南部町に移住してきた貴良さんだが、 2年ほど前から町内に住むメンバーで『月光』というバンドを組んでいて、町内の音楽ライブに出演したり、米子駅前の立ち飲み屋で定期的に演奏したりしている。
実はこの『月光』のメンバーは全員町内在住。
音楽活動の傍ら、米子で立ち飲み屋を営む三原わたるさんに集落のお祭りで出会ったのがきっかけだった。
意気投合して結成した『月光』に加わったのが、ベースの昭倫さん。
なんと隣の集落にある大安寺というお寺の住職だ。
バンドの練習は音楽スタジオの他大安寺でもやっているというのもまた斬新。
「移住していい出会いがあり、趣味としてまた音楽をできてとても良かった。」と貴良さんは話す。
「3年経ってようやく色々な生活が落ち着き、楽しめるようになってきた。」と言う宮﨑さんご夫妻。
どの様な環境であれ、〝移り住むこと〟はやはり大きな変化。
文化も習慣も大きく違う都会から田舎への移住において、新しい生活を楽しめるようになるまではいくつか山を超えなければならないかもしれない。
ただ、その中で新しい人と繋がり面白い『縁』があることは移住の醍醐味の1つなのだろう。