里人 No.3 井上 可奈子さん
住民、子ども、旅人をつなぐ
ゲストハウスを運営
井上 可奈子さん
食べて泊まれる寄り合い場『てま里』
を2019年4月にオープン
ゲストハウスの運営を担当し
地域住民と旅人の出会いの場を作っている
出会いと環境が未来を作る
「なぜゲストハウス?」という質問をすると、話し始めたのは〝教育〟の話。
ゲストハウスと教育がどこで繋がっているのかピンと来ないかもしれないけれど、これは彼女にとって欠くことのできないキーワード。
元々広島出身の井上さんは、東京の大学に進学し日本語教師と英語教師の免許を取得。
卒業後は広島FMでイベント企画などの仕事をしていた。
その後、自分の方向性を考えゲストハウスの運営を目指すことになったのだが、その経緯には自身の大学時代の体験が大いに影響しているそうだ。
ある時大学で将来何になりたいか?という話になった時のこと。
ある子が「教授になりたい」と答えた。
その子の祖父が実際に教授であることを知った時、〝周りの環境〟がいかに選択肢を作り出すかということを井上さんは痛感したそうだ。
また、旅行好きで旅先ではよくゲストハウスに泊まっていた井上さん。
一人旅でもそこにいけば誰かに出会え、人と繋がることができ、自分の世界も広がる場所。
そんな〝ゲストハウス〟で子どもに英会話を教えることができれば、子ども達がいろんな人と出会い繋がれる場所、機会を与えることができるのではないかと思い、「ゲストハウスで英会話教室をやりたい!」と考えるようになった。
しかし実際に子どもに英語を教えたことがなかった井上さんは、まずTeach for JapanというNPO法人を通して埼玉県の中学校で実際に2年間教壇にたち、経験を積むことにした。
2年間の人気を終えた後、鳥取に移住していた友人がきっかけで、南部町でゲストハウスを始めたらどうかという話があることを知り、地域おこし協力隊として着任した。
形になった夢とこれから
オープンまでの1年間は、地域の人に自分の名前を知ってもらうことから始まった。
新しいことを新しく来た人が始めることは、容易ではない。
いろんな壁にぶつかりながらも本当に〝形〟になった夢。
今では『てま里』は、地域の方がふらっと立ち寄ったり、ママ会が開かれたり、特に休日には小学生から自転車で数遊びに来る高校生まで、幅広い年代の人たちの笑い声が絶えない。
もちろん、英会話教室も計画通り始まっている。
「宿泊客の集客など課題はもちろんあるけれど、これから『てま里』を運営していく中で、地域の子どもたちが好きなことを見つけたり、南部町のことを誇りに思ったりするきっかけを作る場所作りがしたい。」と話す。


小さなカフェとお宿のある寄り合い場『てま里』
西伯郡南部町天萬897 TEL:0859-21-1527
OPEN 11:00~21:00 CLOSE 水曜日
※日程・時間はご相談に応じます